備後ワインクラブ発足後、参加者の皆さんにとっては初めての活動となる「ぶどう園での収穫体験&ワイナリー見学会」。
当日は午前中に福山駅へ集合し、貸切バスでぶどう園へ移動。瀬戸町にあるぶどう園にてワイン醸造用ぶどうの収穫体験を行いました。
収穫作業前には、ぶどう生産者の古川氏より、園内のぶどうはワイン用のためにぶどうの大きさや色、糖度を指定して作っているなど、ワイン用のぶどうと生食用のぶどうの違いについての説明がありました。
それから、ぶどうの収穫の仕方について同氏のレクチャーを全員で受け、いよいよ収穫。
参加者は慣れない作業に加えて立っているだけでも踏ん張りの必要な傾斜のある大地に「これは大変」「暑い時期にこんな作業をしているとは」「こんな作業、毎日できない」など様々な感想を口にしつつ、ぶどう農家の苦労を実感。
疲れも当然あったでしょうが、最終的には集中力で、皆さん、黙々と作業に没頭し、収穫したぶどうを入れるカゴは瞬く間に満載となりました。
ぶどうがいっぱいになった重いカゴを園外に運び出し、そのままビニールシートに座り込んで、房の袋取り作業も体験。粒を落とさないよう、丁寧に袋を取り外しました。
これにて作業終了。美味しいワインになってね!
ぶどう園での収穫体験の後は、霞町にあるワイナリー「福山わいん工房」へバスで移動。
到着後、まずはワイナリー2Fのレストランで軽めのランチ。この日のため特別に用意された「ワインに合うパン」を福山わいん工房のワインとともにいただきました。
労働の後、というシチュエーションも手伝って、皆さん口を揃えて「美味い!」
福山の代表的な生食用ぶどうの食べ比べも行いました。画像は粒の赤い安芸クイーン、黒々としたピオーネ、緑色の皮ごと食べられるシャインマスカット。
「甘さが違うね」「糖度計を持ってくればよかった」「福山のベリーAが東京で評価高いんですって」など、参加者同士でもぶどうについての品評、情報交換などが活発に行われました。
その他、ワイン醸造に対する質問もいっぱい。「ワイン絞ったかすはどうなるんですか」「スパークリングってどうやって作るんですか」「二次発酵と一次発酵の違いは」「CO2を使用したワインサーバーの構造を教えてください」など、参加者のワインへの専門的ともいえる興味と知識に回答者の古川氏も思わず驚いていました。
会場となったワイナリー「福山わいん工房」のワインづくりについても、参加者一同、興味津々。
同ワイナリーは2016年に始動したばかりの、規模で見ると小さなワイナリーですが、備後のぶどうを使ってワインの本場フランス・シャンパーニュ地方の伝統製法に則ったスパークリングワイン作りを専門としています。
2018年9月に「ジャパン・ワイン・チャレンジ2018」にて銀賞および銅賞を受賞。プロにも認められる水準に達した現在でも、契約農家への感謝の思いを忘れず、真摯に事業に取り組まれています。
「スパークリングってそうやって作るんだ!」「ワインをいい状態で提供するために道具に対しても高い意識を持っているんですね」など、ワインに興味のある方々にとって古川氏の話は大変有意義なものとなりました。
最後に行われたのは、ワイナリー1Fでの除梗破砕機の体験。そして搾汁した果汁の試飲。作業体験中も、参加者からは活発な質問が相次ぎました。
「白ワインと赤ワインの作り方の違いは」「素材(ぶどう)の選び方や醸造方法をどう決めるかの考え方は」「白ワインを低温で醸造する意味は」「タンクは何リットルですか。何本のワインを作ることができるのですか」などなど。
ここまでくると、皆さんがワインを「飲む」側ではなく、「造る」側としての質問となったことに運営スタッフも驚きを隠せませんでした。そして大変うれしく思いました!
除梗破砕機にぶどうを入れる風景。
タンクにぶどうを移す参加者。皆、体験活動とは思えないほど真剣に取り組んでいます。
以上が当日の模様です。早くも次回の活動が待ち遠しい!といった声もあり、運営側としても嬉しさと同時にプレッシャーを感じております。
次回の活動が予定されている12月には、自らが収穫したぶどうを使ったワインが出来上がるということもあり、皆さん心待ちにしていらっしゃいます。また、「ワインのラベル(エチケット)を自分たちで貼る体験も計画中です」との案内に目を輝かせる人も。
ということで、次回のレポートもどうぞお楽しみに。参加者の皆様、たいへんお疲れさまでした。